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2010年 4月号

 

知識財産権の不当な行使に対する公正取引委員会の審査指針を全面改正


I. 改正趣旨および適用範囲

公正取引委員会は、知識財産権の乱用行為に対する公正取引法適用の基本原則および具体的な乱用行為の類型を提示した「知識財産権の不当な行使に対する審査指針(公正取引委員会例規第80号)」全てを改正し、2010年4月7日から施行する。
 
この度の改正を通じて国内事業者の行為だけでなく外国事業者の行為もまた規制できるよう指針の適用範囲を拡大し、特許プール、技術標準および特許訴訟の乱用など新しく問題となる知識財産権の課題等を包括できるよう改正した。

Ⅱ. 主要改正内容

(1) 外国事業者の知識財産権の乱用行為を規制できる旨を明示

既存の審査指針は、国際契約上の知識財産権乱用行為に対しては「国際契約上の不公正取引行為などの類型および基準」(公正取引委員会告示1997-23)を適用するようにしていたが、2009年8月に上記告示を廃止し、改正された審査指針を外国事業者の行為にも適用するよう規定した。

(2) 多様な特許権乱用行為に対応するための規定を新設

(A) 特許プール関連の特許権乱用行為
  (a) 複数の特許権者が各々保有する特許を取り集めて、相互間または第三者に共同で実施を許諾する協定(特許プール:Patent Pool)の運営過程で取引価格、数量などの条件に不当に合意する行為
例)商品‘イ’を作るのに必要な技術a、b、c、dについて、各々の特許を保有した事業者 A、B、C、Dが各技術の共同活用を通じた費用節減案を議論する際、不当に商品‘イ’の販売地域までを割り当てたり、販売価格を共同で決める場合
  (b) 特許プールに参加していない他の競合事業者を排除する行為
例)商品‘イ’を作るのに必須の特許を取り集め、特許プールを構成した後、特許プール構成に参加していない新規参入の事業者Aに対する実施を共同で断り、市場参入を難しくする場合
(B) 技術標準関連の特許権乱用行為
  政府、標準化機構、事業者団体および同種の技術保有企業群において標準として選定した技術や、事実上標準として通用する技術(技術標準)の標準化過程において意図的に関連する特許情報を未公開にし、技術標準の選定後に顕著に高い水準の実施料を課する行為
例)技術間の互換が重要な商品‘イ’を生産する事業者らが集まって、標準を選定することにした状況において、事業者らは特許技術が標準として選定される場合に発生する実施料の負担を減らすために、関連技術に対する特許をあらかじめ公開し、実施料をあらかじめ協議することにしたが、その過程において事業者Aは自分が特許を保有していないとの虚偽事実を表明し、自分の特許技術aが技術標準として選定されるようにした後、技術標準が広く利用されて技術標準を他の技術に切り替えることが難しくなってから、Aが自分の特許権に基づいて高い実施料を要求する場合
(C) 特許訴訟の乱用行為
  他の事業者の事業活動を妨害するために不当に特許訴訟を乱用する行為
例)市場に初参入した競合事業者Aを相手取って客観的に明確な根拠のない特許侵害訴訟を提起し、訴訟を意図的に遅延させることによって事業活動を妨害する場合
(D) 特許紛争過程での不当な合意
  関連市場の参入を遅らせることで合意するなど特許紛争過程で不当に合意する行為
例) Aが独占的に生産販売する商品‘イ’に対するAの特許が無効であることを知ることになったBが、該当特許に対する無効審判を提起した状況において、Bが無効審判を取下げ、関連市場に参入しない代わりに、AがBに代価を支給することで合意した場合

(3) 正当な知識財産権行使を尊重するための考慮事項

(A) 知識財産権の行使を通じた技術革新効果を違法性審査のときに考慮
知識財産権の行使を通じた技術革新効果による商品価格の下落、品質の向上、消費者の選択権の拡大が可能な場合、このような技術革新効果を公正取引法違反を判断するときに考慮するように明示した。
(B) 知識財産権と公正取引法の関係を明確にし、両者が共通の目標下で調和するよう運営できる旨を明示
正当な知識財産権の行使には公正取引法の適用が排除され、乱用行為の規制時には知識財産権の制度的趣旨を重く考慮するよう規定した。

 

 


 

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