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| LONGCHAMP | SISLEY |
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1. 事件の経過
フランスのロンシャン社(原告)は、2012年韓国㈱エイアイインターナショナルコリア(被告、シスレーカバン製造販売会社)を相手取って、自社の折り畳み式布製カバンの形態を模倣した製品の製造、販売、展示行為の禁止を求める訴訟を提起した。しかし、第1審でソウル中央地方法院は、2004年にロンシャンの折り畳み式カバンと類似の形態のデザインが出願されており、似た形態の製品が広範囲に流通しているという理由で「識別力がない」として原告敗訴の判決を下した。これに対しロンシャン側は控訴、第2審裁判所のソウル高等法院第5民事部は2013年6月13日判決を宣告した。
2. 争点
不正競争防止法上、国内に広く認識された他人の商品標識と同一若しくは類似のものを使用したり、このようなものを使用した商品を販売して他人の商品と混同を生じさせる行為は不正競争行為として禁止される(同法第2条1号(イ)目および第4条参照)。この事件では、上記のような不正競争行為が問題になったところ、果たして1)被告の製品が原告の製品に対する関係において商品の出所を混同させる恐れがあるのかと、2)その前提として原告の製品の形態が商品出所表示機能および周知性を獲得したのか(識別力があるのか)の有無が争点になった。
3. 控訴審法院の判断
イ. 原告の製品形態の出所表示機能および周知性獲得の有無
控訴審裁判所は、商品の形態が商品出所表示機能を獲得し、さらに周知性まで獲得した場合には、不正競争防止法第2条第1号(イ)目所定の「その他、他人の商品であることを表示した標識」に該当することを前提とした後、原告の製品は1)折り畳み式布製カバンという独特のデザイン特性を有し、2) 1993年に創案されて以来、1997年から現在まで長期間にわたって国内で販売されており、3) 2007年から2010年までの売上高の合計が約970億ウォンに達し、本件のデザインラインの製品が売上げの相当部分を占め、4)アンケート調査結果において、一般需要者の間で大多数が原告の製品の形態を特定ブランドの製品として認識しており、調査対象者の過半数がこれを原告の製品と知っていると答えた点などを考慮してみると、原告の製品の形態は出所表示機能と周知性を獲得したことを認めることが相当であると判断した。
ロ. 被告の争いと控訴審裁判所の判断
被告は、1)原告の製品と類似の製品の実用新案登録出願が既に拒絶されており、2)同じ形態のデザインが登録されたこともあり、3)既に似た形態の製品が国内外市場で広範囲に流通してきたため原告の製品の形態が長期間独占的、排他的に使用され、商標標識性ないし周知性を獲得したと見られないと主張した。
しかし、控訴審裁判所は、1)一般的なアイディアという理由で実用新案登録出願が拒絶されたとしても、特定の営業主体がそのような一般的なアイディアを基に作った特定形態を長期間使用することによって出所識別力を獲得することが可能で、2)同じ形態のデザインが登録されたことは、原告の製品が国内で輸入販売されて7年が過ぎた時点なので、かえってその登録デザインが原告の製品の形態を模倣した可能性を排除できず、上記のデザイン権は2009年に消滅しており、実際に実施されたという証拠もなく、3)市場で多数流通する似た形態の製品は「ロンシャン」スタイルという名前で呼ばれていることから、原告の製品の形態が、原告によって独占的、排他的に使用されてきた事実を否定できないと判断した。
ハ. 被告の製品が原告の製品に対する関係で商品出所の混同を招く可能性があるのかどうか
1) 被告の製品は原告の製品と形態が似ており、単に革製のフラップ(フタ)部分に押印された図形とスナップボタンに表示された図形、商標の表示などが違うだけであるが、このような本件のカバンが本体の形、取っ手、フラップ(フタ)などが非常に類似しているのに対し、押印された商標やスナップボタンの差異点は容易に認識し難いものと見られる点、2)前述の原告の製品形態の周知性と識別力の程度、3)被告は原告の製品の形態が有する周知性に便乗して、これを模倣した製品を販売していると見られる点などを総合してみると、被告の本件のカバンの製造、販売行為は原告の製品と混同を招く恐れがある。また、本件のカバンの購入者は出所を混同しない場合があるとしても、第三者は上記のような形態の類似性のために商品出所を混同する憂慮が充分あるので、このような場合、やはり不正競争防止法第2条の「他人の商品と混同を生じさせる行為」に該当する。したがって、被告の行為は不正競争防止法第2条の不正競争行為に該当する。
4. 判決の意義
イ.対象判決は、原告の製品の独特な形態に出所表示機能と周知性の獲得を認めたという点で、これと相反する判断をした第1審法院の判決と比較される。控訴審裁判所は、原告が特定形態のデザインを長期間使用することによって識別力を獲得したと述べた。
ロ. 控訴審裁判所であるソウル高等法院は、上記のように出所表示機能と周知性の獲得を認めるにあたって、原告が提出したアンケート調査結果(韓国ギャラップ施行)を積極的に考慮した。今後、類似の訴訟で、訴訟当事者が裁判所に一般消費者の認識を伝達する有用な方法として頻繁に活用されるものと見られる。

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